映画と家の日記 その他⑩

月曜日

フランク・ペリーの『去年の夏』を見る。もちろん、海外版で字幕はないがこっちは割とニュアンスが掴んで見れた。海辺で男子二人組はバーバラ・ハーシーに出会う。バーバラ・ハーシーは動物を嬲り殺すような感覚で、冴えない女の子を見つけて散々いたぶり尽くす。フランク・ペリー、独特の厭な感じは見ていて辛くなるが、怖いもの見たさの方が勝って見てしまう。もうしばらくフランク・ペリーを見ていきたい。

 

火曜日

『エンティティー 霊体』を見る。遅い時間に見たが、かなり見入ってしまう。幽霊に犯されるという女性の話で、主役は昨日と同じバーバラ・ハーシーだ。こう書くとヴァーホーヴェンの『インビジブル』みたいな映画に思えるかもしれないが、あくまで被害者側のバーバラ・ハーシーの視点で描かれる。ハーシーの幽霊話は最初は狂言だと疑われるが、周りの人間がいる中で怪奇現象が起こり実際に幽霊はいるかもしれないということが証明される。その時に怪奇現象が起こっているにも関わらず、ハーシーは感極まって泣いてしまう。自分が信じていたものが正しかったというとても感動的な場面に見えて心打たれる。最終的に精神的幻覚なのか、物理的現象なのか大型の施設を使って科学的な検証まで始まってゴーストバスターズみたいな連中まで出てくるのも面白い。エンドロールを見るとこれは実話らしい。

 

金曜日

金曜日。映画を2本ハシゴする。

イーストウッドの『クライ・マッチョ』を見る。例によって冒頭の何分か寝る。起きたらすでに少年と旅をしていた。『グラン・トリノ』ほど深刻過ぎず、『運び屋』ほど活劇もしていない。ゆるやかな映画で見ているだけで心地よかった。

リドリー・スコットの『ハウス・オブ・グッチ』。正直、あまり乗れずに終わる。田舎者のレディー・ガガはじめ癖のあるやつばかり出てくる。そして、好き勝手にやって自滅していく様をたっぷり2時間かけて描いている。分かりやすく露悪的だ。リドリー・スコットは良くも悪くもやはり悪趣味な監督のように思う。

家に帰ったら24時過ぎていて、途中で買った牛丼を食べて寝る。

 

土曜日

家に引きこもる。

フランク・ペリーの『Play It as It Lays』をYouTubeで見るが、無字幕だと全然分からなかった。

続けてジョン・ハフの『ピグルス 時空を超えた戦士』。ジョン・ハフがこんなアクション・コメディを撮っていたなんて知らなかった。ひたすら明るくてて陽気なタイムスリップもの。細部まで覚えていないが、気分転換にちょうど良くて、楽しんで見ることが出来た。

続けてジョン・ハフの『ブラス・ターゲット』。ピグルスと一転して、シリアスな活劇だった。『ジャッカルの日』のような暗殺者の映画で、暗殺者をマックス・フォン・シドー、それを阻止する軍人をジョン・カサヴェテスが演じている。ヒロインはソフィア・ローレンで、演者だけで圧がすごい。淡々と暗殺するまで、それを阻止するまでを描いていてテンポ良く進んでいく。なかなか面白くて楽しめた。

最後に『シングス 悪魔のバグズベイビー』。まさにトラッシュ映画でここまでひどいのはひさしぶりに見た。字幕が付いているが支離滅裂で何が起こっているのか最早わからない。男が家の中で出来の悪いクリーチャーに殺されていくだけ。

 

火曜日

ジョー・ダマトの『ディープ・ブラッド復讐のシャーク』が届いたので早速見る。友達がサメに殺されてしまったから復讐するというのが大筋にあるが、その友達同士の青春模様を所々に挟んでいてるので、爽やかな感のあるサメ映画だった。サメ映画なのに全然人が死なず、サメが出てきても完全に別撮りでサメと人が一緒にうつることがないという脱力感。良くも悪くも午後ローで流れてそうな薄味のB級映画だった。

 

金曜日

バイトの昼休みに職場の近くの書店に行って映画秘宝のベストテン号を買う。メンツが少し変わっていてやっぱりゴタゴタがあったからなのかと思う。

テアトル梅田でジョン・カーペンターの『ニューヨーク1997』を見る。大好きな映画で、テーマ曲が流れてくるだけでかっこよすぎて胸が震える。疲れていて少しうとうとしてしまうところもあったが、やっぱり最高だ。カート・ラッセルの演じるスネーク・プリスキンに本気で憧れていたときが少年時代にあった。

続けて塚口サンサン劇場で『アンテベラム』。ほとんどネタバレになるが、シャマランの『ヴィレッジ』じゃんという感想しか残らない。高橋ヨシキが今年のベストにあげていたので、期待して二番館で見に行ったが全然乗れなかった。最後にヘリコプターをうつしたショットなどこの設定を皮肉っているのだろうか。

家に帰って飯を食べてから秘宝のベストで山崎圭司さんがベストにあげていた『降霊会 血塗られた女子寮』をU-NEXTで見る。女子寮の中で次々に殺人が起こるというスラッシャー映画の典型的な設定。ファイナル・ガールである主人公のキャラクターが肉弾戦を繰り広げたり、女同士でキスをしたりと他ではあまり見ないほど強くて逞しい。小規模な作品ながら、かなり楽しめた。

結構夜遅くまで映画を見ていたので、それからすぐに寝る。

 

土曜日

朝起きて恒例の髪を切りに行く。

梅田ブルク7レニー・ハーリンの『ザ・ミスフィッツ』を見る。突き抜けて好き勝手やっていて、深刻な部分が微塵もない映画はどうかと思う人もいるかもしれないが、僕は大好きだ。この映画だともっと言えば、葛藤すらあまりなくて一本道のストーリーをあっけらかんと提示しているだけで映画になっていて、その姿勢も応援したくなった。

続いてプラネットでマイケル・カーティスの『海の狼』を見る。エドワード・G・ロビンソンが独裁者のように君臨している謎の船で、ロビンソンと船員の対立が描かれる。脚本はロバート・ロッセンだけあって骨太な作りで、船が沈むに至るまで徹底的に対決する。沈み行く船の中で、アイダ・ルピノとの『タイタニック』のようなメロドラマがなんだか泣けた。

テアトル梅田で昨日に続けて『ザ・フォッグ』を見るが、結構寝てしまってあまり書けない。

最後にシネ・ヌーヴォ三隅研次の『なみだ川』を見る。Hさんと約束をしていてシネ・ヌーヴォでお会いしてVHSテープを10本貸してもらう。なんでこんなのを持っているのか分からないほどトラッシュな映画が多い。Hさんとほとんど初めてぐらい映画の話をして、本当に造詣の深い人だとしみじみ思う。『なみだ川』は傑作で、最後の最後に完全にもっていかれて泣いてしまう。

家に帰ってひさしぶりにスペースで知り合ったSさんと喋る。サメ映画などについて教えてもらって自分もジョーズなどを二作目以降も見ようかと思った。

 

日曜日

今日は家に引きこもる。日曜日は大抵そうだ。

アダム・マッケイの『ドント・ルック・アップ』がどうしても見たくてNetflixに入り直して見る。確かに面白かった。この豪華スターでドタバタやってるのが年末感というか。それでも、地球は滅んでしまうところまでちゃんと描いて、最後に晩餐を囲んでいるところは温かみがある。レオナルド・ディカプリオの感情的な演技が個人的に大好きだ。

続けて三宅隆太さんが紹介しているので知ったオズ・パーキンスを2本続けて見る。『フェブラリィ』と『呪われし家に咲く一輪の花』。正直、全然良さが分からず、何度も寝そうになる。『フェブラリィ』はまだ少しは話が掴めるが、『呪われし家にに咲く一輪の花』は話の意味が全然分からなかった。こういう話をソフトストーリーというらしいが、やはり普通のジャンル映画の方が好きなんだと思った。

映画と家の日記 その他⑨

月曜日

昨日までの楽しさが嘘だったようにやってくる月曜日で、憂鬱だった。

家に帰って早速『ジェームズ・ディーンにさようならを』を見る。ジェームズ・ディーンの命日に、彼の熱烈なファンである若者たちの一日の出来事。主人公には彼女がいるが、同じくジェームズ・ディーンを好きなゴスメイクをした元彼女がいる。このゴスメイクをした少女が最後に火傷をしてしまって、一日は幕を閉じる。切ないのが最後の部分で、主人公がゴスメイクの彼女を見舞うシーンだ。主人公は相変わらずジェームズ・ディーンに夢中で、『理由なき反抗』の話をまくしたてるように彼女に話すが、彼女は悲痛な表情を浮かべるばかりである。この映画ごっこをやめられない主人公に共感を覚えた。最後にバイクで地元から出発し、街の小さな映画館がうつって映画は終わる。

 

火曜日

家に帰ってジェームズ・ブリッジスの『マイクス・マーダー』を見る。あまりに淡々としてるので途中で何度かうとうとしてしまって休憩を入れつつ見た。マイクというチンピラとその恋人であるデボラ・ウィンガーが何度か会って別れてを繰り返すが、マイクは殺されてしまう。ここまでしっとりとしているが、打って変わってデボラ・ウィンガーとマイクを殺したチンピラとのスリラーに展開していく。いかがわしい世界観が素晴らしくて、ガムテープでぐるぐる巻きにされた死体が投げ捨てられるところなどコーマック・マッカーシーの小説のようだ。最後は最後でまたしっとりとした雰囲気でピアノを弾いているデボラ・ウィンガーで終わるという異色作だった。

夜になって、T君に貸したアイヴァン・パッサーの『クリエイター』をなんとはなしにちょこちょこ見てたらやっぱりいい映画だなとしみじみ思う。

 

木曜日

バイト納め。無事に仕事が終わって、Planet+1でフランク・ボーセイジの『歴史は夜作られる』を見る。二人が出会ってから朝までダンスし続けるという運命的なはじまりから、最後にはタイタニック号のような遭難事件があって二人は結ばれる。この最後は、今だといわゆる超展開かもしれないが、映画を見ているとそんなことどうでもよくなるぐらいロマンに溢れている。

それから、元町映画館に行ってハッピーアワーチームの忘年会があった。終電まで飲んでいたが、あっという間だった。濱口さんは今はどういう世界にいるんだろう。北国の帝王と戦っているんだろうか。

 

日曜日

今日もこもりきりだった。またしても映画を4本見た。

最初に『ナイトメア』。精神病院を出た男が殺人を犯してく。朝の起き抜けに観る映画ではなかった。

次に『SO SWEET, SO DEAD』。ジャッロ映画である。昼のテレ東のような気怠い雰囲気の映画で、何度か寝てしまう。あまり記憶に残ってないが、悪くはなかったように思う。

さらに『ロング・ウィークエンド』。ようやっと見れたカルト映画である。大自然を舞台にして、夫婦の不和がどんどん大きくなっていく。心理的な恐怖が、オーストラリアの大自然と結びついていくのが面白い。

最後に『インパルス』。ソンドラ・ロックの監督作品である。映画を見初めて冒頭からしっとりしたニューヨークの夜の街並みが素晴らしくて、それだけでも見て良かったと思った。内容は堂々としたアクション映画で、ソンドラ・ロックの監督としての才能も感じた。

妹夫婦は昨日で帰ってしまったので、おせちの残りと少しだけお雑煮を食べる。

 

金曜日

TOHOシネマズ梅田『スパイダーマンノーウェイホーム』を見る。スパイダーマンシリーズの歴代のヴィランたちと部屋でわちゃわちゃするくだりとか完全にウトウトしていて記憶にない。マリサ・トメイの最後の勇姿はしっかり見れた。ネタバレになるが、アンドリュー・ガーフィールドやトビー・マグワイヤが登場するところはやはり観客がどよめいていた。今回のスパイダーマンで分かったのは、トム・ホランドスパイダーマンは青臭い。行動原理があまりに単純過ぎる。自分の意思みたいなものが他人の言葉ですぐに変わってしまうあたりがあまりにも弱い。これから、成長していく過程が描かれるのだろうか。

家に帰って、エレイン・メイの『ふたり自身』を見る。チャールズ・グローディンが主演で、新婚にも関わらず金髪美女に恋する話だ。後半になってチャールズ・グローディンが本当に離婚してしまって金髪美女のシビル・シェパードに迫るあたりどうなるかと思ったが、二人が最終的に結ばれてしまうあたりが意外だった。チャールズ・グローディンのなんとも言えない顔で終わるのが良かった。

 

土曜日

神戸映画資料館にクラコメを見に行く。資料館に着いたらKさんが既にいて、チケットを書い終わったらずっと話していた。

最初に斎藤寅次郎の『誰よりも金を愛す』。三木のり平のドタバタ喜劇で、今日見た中では一番面白かった。幽霊まで出てきてなんでもありのドンチャン騒ぎは正月映画のようで見ていて楽しかった。

次に『南瓜おやじ西部へ行く』。正直、感想があまりない。ゆったりとした西部劇で、まったりとしながら見た。

最後に『ファイ&ビー海辺の旅』。デンマークのサイレント喜劇。「ファイ&ビー」という「ローレル&ハーディー」のような二人組が出てくる。本筋が恋愛でもので、「ファイ&ビー」の話はサイドストーリーのようだった。デコの広いヒロイン、不気味だった。

家に帰ってエレイン・メイの『イシュタール』を見る。ダスティ・ホフマンとウォーレン・ビーティーが下手くそな歌で最高で明るい気分になる。続けてマイク・ホッジスの『狙撃者』を1時間ぐらいまで見て、途中で止めて寝る。

 

日曜日

朝起きて早速『狙撃者』の続きを見る。一度寝てしまったので面白さが半減してるような気がする。映画は一気に見た方がやっぱり面白い。

見終わってからシネ・ヌーヴォで一番見たかった三隅研次の『千姫御殿』をやっていることを知って、ショックでVHSで持っていた『千姫御殿』を見る。完全にトリミングされていて、フィルムのロールチェンジの度に黒みが入る海賊版のようなVHSだった。映画はめっちゃ良かったが、やはり三隅の撮る画はVHSじゃなくてフィルムで見たかった。

続けてジェームズ・ブリッジスの『パーフェクト』。エアロビクスが題材というだけあって踊っている場面が多いが、本筋はジャーナリズムについてのドラマだ。ジョン・トラヴォルタの潜入ルポがあくまでもメインのストーリーだが、それにしてもとにかく踊っているのでそちらの印象の方が強く残ってしまう。

次にAmazon Primeで『団鬼六美教師地獄責め』。昨日、Tさんに勧められたので見ることにした。主人公が田舎で教師を始めるのだが、という話で、予想外の展開が続いて、流石に面白かった。主人公には誰にも味方はおらず、周りには変態だらけという状況が怖い。最後のオチにもぞっとする。

最後にフランク・ペリーの『わが愛は消え去りて』。英語字幕が付いているのだが、あまりダイアローグは分からなかった。それでも、主人公のキャリー・スノッドグレスが良くて、ひたすら男性に虐げられる主婦を演じている。最終的に誰からも裏切られて、空虚な表情でグループセラピーに出ているキャリー・スノッドグレスのアップを映したままエンドクレジットが流れるというなんとも言えない終わり方。

5本も映画を見て疲れたので、夕飯を食べてすぐに眠る。

映画と家の日記 その他⑧

金曜日

特に変わりなく仕事が終わって、TOHOシネマズ梅田に『アイス・ロード』を見にいく。映画を見る前にファミチキとおにぎりを食べたせいかまたしても冒頭の15分ほど記憶がない。アクション映画というより、トラック運転手の労働者としての仕事ぶりが面白かった。リーアム・ニーソンの映画では、さらに地味な『ファイナル・プラン』の方が好きだった。ああいう小じんまりとしたアクション映画って本当になくなってきているように思う。

寝る前にU-NEXTで『ワン・モア・タイム』という映画を見ていたが30分ぐらい見て眠くなってきたので途中で止めて寝た。

 

土曜日

Kさんにすごい怒られて絶交される夢を見て起きる。ラインでひさしぶりに連絡してみようかと思ったが怖くて出来なかった。

朝からアラン・ルドルフの『Remember My Name』を一気に見る。チャップリンの娘が主役で、元夫であるアンソニー・パーキンスをストーキングするという変な映画だった。ラストがよく分からなかったんだが、あの女の復讐で元夫を監禁してしまうということなのだろうか。唐突で怖い終わり方だった。

それから『ワン・モア・タイム』の続きを見た。穏やかな休日だった。

 

月曜日

Mさんが夢の中に出てきて、自分が某映画を「正直、あまり面白くなかったです」と言う夢を見る。Kさんに続いて映画との繋がりを求めているのかもしれない。

家に帰って自分の映画のリスト化をすることにする。これがやってると楽しくてなにかユートピアを作っているような気分になる。全く違うんだけど。こつこつやって楽しいので、また続きをやろうと思う。なぜか本当に熱中して深夜までやっていたような気がする。

 

木曜日

井川耕一郎の訃報があった。映画監督としても脚本家としてもいちファンで、結構見ていると思う。伊藤大輔を研究した映画を唯一持っていたので改めて見る。メロドラマに関する分析が素晴らしくて、見入ってしまう。合掌。

 

金曜日

野原さんの『Elephant Love』を見に元町映画館へ行く。ちょうど自分がチケットを買うときにMさんがいた。後からUさんも来て、Kさんも見に来ていた。10年前ぐらいにも見ていたが、野原さんの人柄を知ってから見るとさらに面白かった。やはり女性にこだわりを持って演出している。いしだ壱成いしだ壱成で、うる星やつらのあたるのようにも見えて面白かった。終盤になってからの展開にとんでもない飛躍があって改めて見てもすごい。最後に出てるのが佐野和宏だということに今になって気付く。

帰りに『ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ』を見る。あまりにあっさりしていて響かなかったが、後でW君が絶賛していて、確かにそうかもしれないという思いにもなる。この尺の感じってマーベル映画だけじゃなくて、今のアメリカ映画でもあまりない。

 

日曜日

『70ー80年代アメリカに触れる!名作映画鑑賞会in 京都みなみ会館』の最終日。朝早くに出て、また同じように京都駅でサンドイッチを買って食べながら待つ。Tさんと合流して、早速映画を見る。

エレイン・メイの『おかしな求婚』。SNSでは一番話題になっていた映画だ。大傑作というわけじゃなく愛すべき小品といった感じの映画だった。エレイン・メイは思っていたよりきれいで、コメディエンヌとしても才能があると思う。他の作品も見れたら見ようと思う。

T君と合流してTさんを紹介する。次にポール・ニューマンの『まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響』。ほとんど満員で、一番入っていたように思う。字幕ありで初めて見た。言うまでもなく良くて、レポートにも色々書いたがちょっと絶賛し過ぎて後悔している。Tさんが良かったと言っていたのが印象的で、それ普段はあまり聞かないからだろう。

最後にロバート・アルトマンの『ポパイ』。VHSで予習したが、VHSは短縮版で上映されたバージョンはミュージカルシーンが大幅に増えていた。感想はまだあまり言葉にならないが、アルトマンのごちゃごちゃしている感じが思いっきり前に出ていて、漫画が原作なので、歪といえば歪なんだが、失敗作というほどひどくもないような気がする。シェリー・デュバルのミュージカルシーンは何度見ても良い。

終わってからTさんとT君で2、3軒回って飲み歩く。楽しかった。

映画と家の日記 その他⑦

月曜日

家に帰って、休日分の日記を書く。自分でも呆れるほど映画しか見てない。そもそも楽しみがそれしかない。

飯を食べてから、『殺人兵器サンダーアーム 鋼鉄の報酬』を見る。ジョン・サクソン主演のB級アクション映画。テーマ曲が流れるオープニングだけやたらかっこいい。サンダーアームはちゃっちいグローブみたいなもので、それを付けると強くなるという設定が馬鹿馬鹿しい。内容は間延びしたアクション映画だが嫌いになれない。

 

水曜日

仕事が終わって北新地から中崎町に行って太陽の塔でT君と会う。2週間前に会ったばかりだが元気そうで、近況のことや映画や音楽の話をした。T君が教えてくれる音楽がとても良い。コアな人しか知らないような歌というよりも独り言のような音楽を教えてくれる。場所を変えて鳥貴族で飲みながら、ぶっちゃけ話をした。なんか打ち解けたように思う。

今日は映画以外でもとても楽しいことがあって、良い一日だった。T君にドリス・ウィッシュマンのDVDを借りたので見ようと思う。

夜にちょっとだけTさんと話して12月4日に京都に来るらしい。また飲もうと約束する。

 

木曜日

仕事の昼休憩にこつこつ見ていた『ユーロクライム!70年代イタリア犯罪アクション映画の世界』を見終わる。特に感想はなくてヘンリー・シルヴァが元気そうで良かったぐらい。空き時間にサブスクで、インタビューで構成されたドキュメンタリーとかをよく見ている。

仕事が終わって、T君から借りたドリス・ウィッシュマンの『Satan Was a Lady』を見る。T君も言っていたが、サムシング・ウィアード的な良さがある。本編ともほとんど絡まないのに途中で延々と楽器を演奏しているシーンがあったりとよく分からない。話もものすごく内輪の復讐劇だけで成り立っている。まさにちょっと変な映画。

続けてドリス・ウィッシュマンの『Let Me Die a Woman』。性転換手術のドキュメンタリーで、これはさすがに正視出来ないシーンがいくつかあった。基本的にインタビューで構成されていて、ほとんど何を言っているのか分からず終わってしまった。映画を見る上で英語力って大事だとつくづく思う。時々、再現ドラマのようなものがあって、それも性転換した人たちのセックスシーンだったりと、ものすごく個人的なものを見ているような気分になった。

 

金曜日

仕事が終わって、神戸の映画館でクロエ・ジャオの『エターナルズ』を見る。例の如く30分ぐらい眠ってしまったが面白かった。アート寄りかと思ったら普通にヒーローものとして楽しめた。エターナルズの面々で知ってる顔がいくつかあって、一番嬉しかったのが『ビッグ・シック』に出ていたクメイル・ナンジアニ。インド系の顔でも、ちゃんとヒーローとして様になっていた。話は結局のところ内ゲバみたいなものだけれど、ヒーロー同士の関係性がちゃんと描かれていたので違和感はなかった。

映画が終わったらみなみ会館の名作映画鑑賞会のチケットを取る。作品は『ウォーター・メロンマン』、『おかしな求婚』、『まだらキンセンカにあらわれるガンマ線の影響』。たくさん関東からもシネフィルが見に来るようで交流出来たらいいなと楽しみだ。

チケットを取っていたら遅れて、冒頭だけ上映がはじまっていた『ドーン・オブ・ザ・ビースト魔獣の森』を109シネマズHAT神戸で見る。こういうのが監督の趣味だけで出来ているようなホラー映画は好きだ。『死霊のはらわた』のようなストーリーに取ってつけたように怪物が出てくる。とても和んだ。ひさしぶりに落ち着いて映画が見れた。

家に帰って飯を食ってたまたま見つけた『ドラグネット・正義一直線』を見ながら寝落ちする。電気を点けっぱなしで寝てて4時ぐらいに起きて気がついて消してまた寝る。

 

土曜日

起きてとりあえず『ドラグネット・正義一直線』を最後まで見る。ダン・エンクロイドとトム・ハンクスの刑事もので、可もなく不可もなく。トム・ハンクスが若くてしゅっとしててかっこいい。

散髪に行って、自分の着ている服に油染みがあることに気付いてなんか恥ずかしかった。着替えずに阪神電車で九条に行ってシネ・ヌーヴォで『NOBODY KNOWS チャーリー・バワーズ』を見る。トークでも言ってたけれど、発明品を見ているような素晴らしさがあって、単純に「万物の為る木」とか思いついたもの勝ちというか。機械と動物とスチップモーションアニメが妙に融合していて独特の世界が構築されている。

もう1本『アイス・ロード』を見ようと思ったがやめておいて家に帰ることにする。吐きだめビデオさんの即売会で買ったVHSを消化していく。見たのは『ブライアンの悪夢』、『恐怖の48時間』、『レイン・キラー』で、寝たのは3時過ぎだった。

映画と家の日記 その他⑥

月曜日

日記を書き直したりしていたら、時間が過ぎていた。今まで本当に適当に書いていて、改行もまともにしていなかったので、文章としてまとめるようにする。あと、すでに8000文字超えてるけど中身がなさすぎる。日記というより見聞録である。もう少し1日のことを丁寧に振り返りたい。

『クイック・チェンジ』をU-NEXTで見るが、つまらなくて途中で止めて飯を食って、それから最後まで見た。23時過ぎになってなんとなく『あなたの死後にご用心!』を見たら面白くて最後まで見てしまう。人生を振り返って裁判するところなど、ルビッチの『天国は待ってくれる』をなんとなく思い出した。

なんとなくネットでリチャード・T・ヘフロンについて調べていたら『刑事ニューマン復讐のレクイエム』が1000円もせずに楽天市場で売っていたのでポチる。

 

火曜日

クリストファー・ウォーケンのマインド・スナッチャー狂気の人体実験』を見る。面白かった。病院の中でベルイマンをやってるような感じというか。軍の病院でひたすら禅問答を繰り返す映画だった。近いのが『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』か。ロボトミー手術の是非を問う深刻な映画でもある。

続いて『新・ハロウィン』を見る。ブギーマンとは全く関係なくて、どちらかというとゾンビ映画だった。24時過ぎからほとんど寝ぼけながらだったが、明るいホラーコメディで和んで見ることが出来た。3時頃に就寝する。

そういえば、夕方ぐらいに横浜のTさんと電話した。なぜか最近はTさんと仲が良い。

 

水曜日

バイト帰りに天一に寄ってラーメン並のこってりの並を食べる。開業50周年記念でラーメン並の無料券を貰った。割と混んでいた。

日記を一旦送るためにまとめる作業に時間を費やす。雑だった部分や、適当に書いてた映画の感想などを大幅に加筆する。3時間ぐらい熱中してやった。

飯を食べてからスペースをちょっとしてTさんと世間話をしてすぐ終わる。『トロル』を1時間ぐらい見て、Mさんからひさしぶりに電話がきたから出る。いつものように話題は最近の近況、映画のことなど様々。多分一番お世話になってる先輩だと思う。今はカナダに行っていて向こうでの生活を楽しんでいるようだ。電話が終わって『トロル』を最後まで見て就寝する。

 

木曜日

休み。朝からビル・レバン『デモンズ魔性の血族』を見る。ウンベルト・ヴァーバのデモンズシリーズとは全く関係ない。小さな村での怪奇譚で、地味なホラー映画だった。朝から見るものではなくて、思いっきり脱力しながら見た。

続けてゴーマン・ビチャード『殺人マニアックサイコリアン』。苦手な映画だった。殺人鬼同士がカップルになる映画で、ブラックコメディ風味の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』というか。第四の壁を通り越して観客に話しかけてくるのがかなり白ける。

さらにフランコ・プロスペリ『白昼の暴行魔』。イタリア製のレイプリベンジもの。ラストはタランティーノの『デスプルーフ』で引用されたらしいが分からなかった。寄ってたかって男を叩きのめすからなのか。尼僧のエクスプロイテーション映画であるナンスプロイテーションというジャンルがあることを初めて知った。

最後にマリオ・ガリアッツォの『帰って来たE.T.』。当たり前だがスピルバーグの『E.T.』とは何も関係がない。宇宙船が落ちて来て地元の人々と宇宙人の交流が描かれるイタリア版の『E.T.』。ハートフルな映画だったが特に感想がない。

家にこもってひたすら映画を見たものの消化不良だった。最後にYouTubeで字幕付きの『殺し屋ネルソン』を見ようとするがうまく保存出来なくて、パソコンをいじっているうちに3時を過ぎてしまう。さすがに寝る。

 

金曜日

バイトが終わってジェームズ・ワンの『マリグナント凶暴な悪夢』。最初の方、昨日の寝不足もあって少しうつろうつろとしていたが、後半になって舌を巻くほど面白かった。特にガブリエルの正体が分かってからはアクション映画を見ているようで殺戮の全てが壮快極まりない。

続けてドゥニ・ヴィルヌーヴの『デューン砂の惑星』。どうしても苦手だと思うから見てなかったけど、やはり見なくて良かった。途中で何度も早く終わらないかなと思いながら最後ま見たけれどどうしてここまで自分に合わないのか分からない。特に掘り下げることもないのでこれで終わりにする。

帰ってひさしぶりに京都のTさんと電話する。近況報告など。仕事がかなりしんどいらしい。ひさしぶりに声が聞けて良かった

寝付けずにU-NEXTで『マイ・ブルーヘブン』を見る。ハーバード・ロス監督で、ノーラ・エフロン脚本なのに思ったより跳ねない。深夜に和むために見るのにちょうどいいコメディだった。今日も就寝は3時過ぎだった。

 

日曜日

家にこもって映画を見る。

まず、リチャード・T・ヘフロンの『刑事ニューマン復讐のレクイエム』。寝起きのためか眠気がやばくて何度も巻き戻しながら見る。最後の見せ場であるスーパーでの銃撃戦がすごいが、自分の体調のせいであまり集中して見れなかったのが残念だった。ヘフロンはこれで日本で見れるものはほとんど見たが、『フーリング』がやはり一番好きだ。

続けてオーストラリア映画の『マッドファイヤー』。結婚した夫が頭のネジがぶっとんでいるサイコパスだったという話で、これも眠気がすごくてほとんど覚えていない。

続けてノーマン・メイラーの『タフガイは踊らない』。紋切り型の映画をこじらせてしまったような珍妙な映画だった。安くてくだらない犯罪映画のように思えるけれども、悪夢の中にいるような語り口がやはり異質で、ヘンテコな出来になっている。

最後にジェームズ・B・ハリスの『ザ・コップ』。ジェームズ・ウッズの演じる暴力的な刑事にひたすら魅せらる。ショットガンの薬莢が落ちる音が画面が暗転して流れるラストは痺れるほどかっこよかった。ジェームズ・ウッズを俳優としてそこまで意識していなかったのでこれから気にかけて追ってみようと思った。

映画と家の日記 その他⑤

月曜日

ブルーノ・マッティの『呪われた修道院』を見る。初ブルーノ・マッティ。ゾンビ、オカルト、超能力となんでもありで、修道院の中ででひたすらエログロが繰り広げられる。サウンドトラックがゴブリンで『ビヨンド・ザ・ダークネス』と全く同じ音楽を使っているのも嬉しかった。

夜にウンベルト・レンツィの『殺意の海』を見てたら寝落ちした。

 

火曜日

トラッシュマウンテンビデオの『狼女の伝説』を見るがなかなか集中出来ず、何回も途中で止めながらやっと見終わる。主演の真っ裸で狼の格好をしている女の人がすごい。恥じらいのようなものが全くなくて、堂々と狼女を演じている。俳優だから当たり前かもしれないが。他に特に感想はなかった。

飯を食ってからひさしぶりにW君に電話をして映画の話をする。やっぱり、気のおけない友達って大事だなとしみじみ思う。ほとんど最近見た映画の話で、キャッシュトラックの話になったりした。サイモン・ウェストの映画が割と面白いらしい。

寝る前にAmazon Prime Videoで『ジェームズ・ボンドとして』を見るがあからさまに美談としてまとめているのがあまり好きになれなかった。ダニエル・クレイヴのボンドは結構好きなのだけれども。

 

木曜日

特に映画も見ずにVHSをデジタル化していた。溜まっていた日記を書き進めて、スペースをやって寝たと思う。この日からかまぼこをわさび醤油で食うことにハマってる。

 

金曜日

シネマート心斎橋ジョージ・A・ロメロの『アミューズメント・パーク』を見る。見る前に船場カレーを食べたせいか割とうとうとしてしまって内容を掴めてない。ほとんど一本調子だった気がするが。もったいなことをしてしまった。もう一度見ると思うが、映画館では見ないだろう。

続けてPlanet+1で『地の塩』を見る。プラネットで見る古典映画は大抵面白いんだけどこれはあまり乗れず。炭鉱夫がストライキする映画で、出ている人はほとんど素人らしい。特に感想はない。

深夜にスペースで鮫映画好きな人と話してちょっと盛り上がる。

 

土曜日

神戸映画資料館フレデリック・ワイズマンの『パナマ運河地帯』と『軍事演習』を見る。どちらも少しうとうとしまったが、ワイズマンの映画はそうやって見ても全然途中参加できることが最近になって思った。途中で寝てしまっても、起きたら映画が続いていて見入ってしまうという不思議な体験ができる。

 

日曜日

朝から『ブラッド・ソング』を見るがいまいち乗れずに途中で山形国際映画祭のオンライン上映の『えんとこの歌』が始まったのでそっちを見る。素晴らしい映画だった。遠藤さんはもちろん、周りの人たちが魅力的に撮られている。人物を撮ることはすごいことなんだと改めて感じる。

『ブラッド・ソング』の続きを見て『アメリカン・ナイトメア夜の切り裂き魔』と『ザ・パワー肉体を喰いつくす古代の呪い』を見るが全く乗れずにうとうとしていた。

気分を変えてリチャード・T・ヘフロンの『フーリング』を見たら最高に良かった。ハングライダーで空を飛んで花嫁をかっさらいにいく。リチャード・T・ヘフロンは最近になって色々見たが、どれも面白い。どれもあっけらかんとして陽気だ。リチャード・T・ヘフロンの映画がもっと見たい。

映画と家の日記 その他④

月曜日

夜に一人でかなり落ち込んで、今日が誕生日のNに電話する。とりとめのない話だけど、1時間ぐらい話した。

 

火曜日

夜にナマニクさんのスペースを聞いていた。Tさんと少しだけクラブハウスで喋って寝る。

 

水曜日

リブート版の『クライモリ』をシネ・リーブル梅田に見に行く。初クライモリ。森の中でサバイバルする前半は結構うとうとしてしまうが、土人達に捕まってから面白くなっていく。ヒロインが逞しくなっていき、最後のナイフ滅多刺しなど爽快この上ない。マシュー・モディーンが父親役で出ているが、もうシワクチャのお爺さんになっていて時の流れを感じた。次回作も見るかもしれない。

家に帰ってDOMMUNEのロマンポルノ特集を見る。遠藤さんが出演していてORGASMファンとしては嬉しかった。

 

木曜日

ロフトプラスワンウェストの『V-ZONE 悪趣味ビデオ学ハロウィンマイケル・マイヤーズの呪い』をツイキャスの配信で見る。今までのハロウィンシリーズを総復習する趣旨のトークイベントだった。山崎さんがロブ・ゾンビ版のハロウィンを腐していたが同感だった。ハロウィンは5作目まで見ていたので思い出しながら見ていたがやはり1と2がダントツに好きだ。ぽすれんで残りの6とH2Oとレゼレクションも借りてみようと思う。

 

金曜日

神戸映画資料館で本宮劇場所蔵のピンク映画『さすらいの悶え』を見る。恋人二人が殺人を犯してしまって、数年が経って再会するという話で、なんというか、ゆるい映画だった。ひさしぶりにGさんやイマジカの方たちが来ていて時の流れを感じて切なかった。

それから、昨日から楽しみでしょうがなかった『ハロウィンKILLS』を神戸国際松竹で見る。キルカウント出来るほど登場人物が次々と殺されていく清々しいまでのスラッシャー映画だった。今回はハロウィンの1作目で脇役として登場した人たちにスポットが当てられるのがオリジナルファンとしては嬉しい。ブギーマンがマスクを脱ぐ場面を復活させているのも良かった。このリブート版のハロウィンは毎回期待を裏切らず面白い。次回作の『ハロウィンエンズ』も楽しみでならない。

 

日曜日

レナード・ポルセリの『デリリウム』を見るが、正直あまり乗れなかった。連続殺人犯が警察に協力して連続殺人犯を追いかけるというカオスな話で、何が起こってるのかよく分かりにくい。独特なフェティッシュな感じはあって、幻想的な乱交シーンなど確かにエロい。そもそも、ストーリーに趣を置いていないのかもしれず、乱雑なものを乱雑なまま提示されているようだった。

次にプピ・アヴァティ『ゼダー死霊の復活祭』。あまりに説明がなくて最初話に付いていくのにやっとだったが、味のある廃墟が出て来たあたりから乗れてきた。売れない作家が死者を蘇らせる場所を発見するという話で、地味なゾンビ映画といってもいいだろう。最後は『ペットセメタリー』と似ていて、死んでしまった妻を蘇らせようとする悲しい終わりだ。

最後にU-NEXTで『すみれは、ブルー』。シシー・スペイクとケヴィン・クラインというだけで良い。万田邦敏監督の『ベストフレンズ』評を思い出す。悲恋に終わるかハッピーエンドとなるかは、恋愛映画の本質とは関係ないのは今さら言うまでもない。現実の恋愛も映画の中の恋愛も、わくわくするのはその過程で如何にひとは少年少女に戻るかということで、それは孤独な魂を一瞬であれ救済する。