日記_20190123

2019年1月21日(月)

ダリオ・アルジェントスタンダール・シンドローム

気になっていたが見れてなくて、やっと見た。つまらなくてというわけでなくて、何度も寝てしまって結局一回見てから寝てしまったところだけもう一回見る。90年代のアルジェントを見るのが初めてで画面に癖がなくなっているように思った。もっと色彩に凝っていたような。前半はフェリーニなどの影響も伺えて、夢うつつとしたパートが面白い。アーシア・アルジェントは物語が進むにつれて迫力が増しきたのが印象に残った。男のようにたくましくなって、殺人犯をやっつてしまうのが格好良い。それから謎解きになっているのがなぜか残念で、アーシアの視点だけで後半を見たかった。最後のニュアンスがいまいち分からず、逮捕されずに済んだということなんだろうか。

 

2019年1月22日(火)

小出豊『ペイル・ブルー・ドット』

バウムちゃんねる映画祭で公式からYouTubeにあがっていたので、ようやく見れた。小出さんの映画の中でも最も濃密かつスピーディに感じた。編集がここまでスタイリッシュなのは初めてで、ショットのひとつひとつが前より弱くなってるけど繋がりで見ると凄い。すごい量と質を兼ね備えた塊を見たという印象があった。

 

万田邦敏『逃げ去る愛』

最近の万田邦敏監督の短編のなかでも一番完成度が高いと思った。美学校以外で撮った短編を見たのもひさしぶりで、『葉子の結婚 土曜日』からなかったんじゃないか。強烈に印象に残ったのが抽象的な空間もそうだが、西山真来さんだった。こういうギトっとした女性像を描くのも初めてじゃないかと思う。今までどちらかというと軽やかな印象があったが、ひとつひとつの演出や芝居が『Unloved』のように重く感じた。

 

ウィリアム・フリュエ『墓場の館』

田舎の宿屋を舞台にしたサイコサスペンスで、田舎ホラーにもあてはまるよう気がする。『サイコ』のようなオチだった。書くことがあまりないけど、のんびりした映画でそれなりに面白かった。正和ビデオを初めて見たが、字幕が少し読みづらかった。

 

2019年1月23日(水)

トム・エバーハード『ソウル・サバイバー』

なんとなくトム・エバーハード監督の映画を2本見た。無字幕だったが、問題なく楽しめた。異様に地味なゾンビが印象的だった。ゾンビというより、イット・フォローズなどに近いのか。雰囲気はあって倦怠感を感じる。恐怖描写は的確でちゃんと力を入れているように思った。落ち目のCM女優のカレン・アーキーのキャラが絶妙だった。終盤にゾンビとなって目的だけ果たすと元いた場所に戻っていく姿が格好良かった。ちなみに黒沢清の選ぶホラー映画ベスト50の25位。

 

トム・エバーハード『ナイト・オブ・ザ・コメット』

面白かった。『ソウル・サバイバー』と対照的で、こちらもゾンビ映画にだが、ひたすら明るかった。人類が滅亡してしまって二人っきりになってしまった姉妹のすったもんだで、地球最後の日をひたすらエンジョイする。とてもゆるい映画だが、青春映画として王道で、姉に劣等感を告白するくだりなど胸を打つ。シンディ・ローパーの『Girls Just Want To Have Fun』がバックで流れながら無人のスーパーマーケットでモデルごっこをするなどベタだけど見てて楽しかった。ひたすら能天気でご都合主義で悩みが無くて前向きな映画だった。