日記_20190120

2019年1月18日

平野勝之雷魚』。

暴力が何よりも印象に残った。見てはいけないものを見たという感覚があった。ペキンパーの『ゲッタウェイ』で、アル・レッティエリが妻を寝取って夫をその妻と一緒に痛ぶるくだりを思い出した。気分が悪くなるぐらいのものもあったが、露悪的な感じはしなかった。一番印象に残ったのは前半の最後のシーンだ。主人公がヒロインを痛めつけてレイプしようとするのだが、ヒロインは抵抗もやめて顔を隠してしまう。なぜか主人公を受け入れるようなようなニュアンスを感じた。愛が成就するシーンのようにも見えて、それが不思議だった。

 

他に友人のドキュメンタリーを見た。あまり集中出来ず、的外れな感想を伝えた。シアターセブンにその友人が来ていて、懐かしくなった。

 

2019年1月19日

マイケル・チミノディア・ハンター』。

玉利さんと一緒に見た。前半ほとんど寝てしまうが、さすがに良かった。チミノの映画を見ていると、別の世界の出来事を見ているような気分になる。ロバート・デ・ニーロクリストファー・ウォーケンも天使みたいだった。関係ない話だが、今まで見たデジタルリマスターのなかでも一番綺麗だった。

 

大栄食堂というお店に初めて行って、さばの塩焼き定食を食べた。美味しかった。それから、ジュンク堂に行って映画本を見たりした。サスペリアマガジンが発売されていた。玉利さんと二人で会うのは初めてだったが、のんびりと楽しく過ごせた。

 

2019年1月20日

 福島拓哉『モダン・ラブ』。

自分は31歳でセカイ系に慣れ親しんできた世代だ。最後のセリフは「私はあなたを変えられたのかな?」である。純粋なセリフで好きだった。安易な比較になるが、エヴァンゲリオンの「気持ち悪い」とは逆で、相手のことを想う言葉のように思う。自意識がどんどん大きくなるが、どこか爽やかな印象があった。シネマキネマのインタビューで、村上春樹を例えに出していてなぜか腑に落ちた。『ノルウェイの森』も内向きに入っていく前のセカイ系なのかもしれない。読んだことはない。

 

ジョン・カーペンター遊星からの物体X』。

かなり寝てしまう。後半になると一気に面白くなって目が覚めた。気になるのがやはりラストだった。生き残ったのは二人だけとなりどちらかがエイリアンか分からないという状況で映画は終わる。暗い結末を暗示しているのかもしれない。だけど、たとえエイリアンでも二人は生死を共にする共闘関係にある。行き止まりのなかで成り行きで共闘してしまうことがカーペンターだなと思う。

 

夜になってコンビニまで散歩した。もうかなり寒い。相変わらず、途中で写真を撮った。